【心の乱れから解放されたい人のために】:「鼻呼吸」を使って「マインドフルネス」を体験してみよう。

ODAN:瞑想 心理教育

「マインドフルネス」と言う言葉を最近聞いたことのある人は、きっとたくさんいらっしゃると思います。それでも、実際に体験した人は、まだまだ少ないのではないでしょうか。

「マインドフルネス」を体験する方法は、たくさんあります。しかし今回は、一人で、簡単に、しかも安全にできる方法として、「鼻呼吸」を使った方法を紹介してみました。

「マインドフルネスって、どんなものなのか?」と思われている方は、ぜひとも一度この方法で体験してみて下さい。

「“今ここ”にいる自分」を少しでも実感できることで、「雑念から自分を解放することは、決して難しいことではない」ということを、多くの人が知って下されば、とてもうれしく思います。

はじめに

「今ここ」に意識を向けるには、いろいろな方法があります。今回は、自分一人でもやれる「マインドフルネス瞑想」の中から、「鼻呼吸」を使った方法を紹介します。

これは、「ヴィパッサーナ瞑想(気づきの瞑想)」と言う瞑想法を、母体にしています。安全な瞑想法から作られたものですから、誰でも安心して実践することができます。

全体の流れをつかんで、自宅で毎日練習してみて下さい。実践された方のお役に立てれば、とても嬉しく思います。

手順(1):「鼻呼吸」を行うための準備をしましょう。

最初は「3分間」の体験で行ってみましょう。実際「3分間」でも十分に効果があります。

この「3分間」を確保するために、邪魔されない場所時間帯を選びましょう。

まずは、「鼻呼吸」をするための準備をしましょう。その手順は:

  1. 楽な姿勢を取ります。椅子に座っていても、横になっていても構いません。
  2. 目を軽く閉じます。
  3. 目を閉じると不安になったり、落ち着けなくなったりしてしまうな人は、目を開けて、何か一点を見つめているのでも構いません。
  4. 自分に合った姿勢が見つかったら、それを維持しましょう。

手順(2):「鼻呼吸」を始めていきましょう。

「鼻呼吸」を始められる「姿勢」が整いましたら、いよいよ「鼻」に意識を向けた「呼吸」を始めます。

その手順は以下になります:

  1. ゆっくりと「鼻」から息を吸います。そして、今度はゆっくりと「鼻」から息を吐いていきます。
  2. 自分にとっての無理のないリズムで、ゆっくりと呼吸をしていきましょう。
  3. 息を吸うのは「鼻」からがよいでしょう。しかし、息を吐くときは、「鼻」からでも「口」からでも構いません。自分の続けやすい方で行ってください。
  4. このような呼吸を、ゆっくりと繰り返して行きましょう。
  5. この方法で自然に呼吸ができるようになったら、自分の「意識」を少しずつ、自分の行っている「呼吸そのもの」に向けて行きます。

手順(3):一回一回の「呼吸」を感じ取りましょう。

「鼻」に意識を向けた呼吸を、そのまま続けて行きましょう。

すると、一回一回の呼吸に対して、何か気がつくことはありませんか。たとえば:

  1. 息を吸っているときは、鼻腔の中に外気がゆっくりと入ってくるのが分かります。すると、「今入ってきた空気は、冷たいな」とか「温かいな」「乾いているな」「湿り気があるな」などと感じられるでしょう。
  2. 息を吐くときも同じです。身体で暖められた空気が、鼻腔の中を抜けていくのが分かります。すると、「身体の奥から鼻の穴の方に向かって、今、ゆっくりと暖かくて湿り気のある空気が抜けていく」のが感じられるでしょう。このとき鼻腔が、少しこそばゆく感じられるのに気づくかもしれません。
  3. このように「一回一回の呼吸」に対して、鼻のあたりで感じられることを、じっくりと味わってみます。
  4. 意識を向ける先を「胸」のあたりにしても構いません。息を吸っていくと、胸やお腹のあたりが膨らんできます。また、息を吐いていくと、肩が下がってきたり胸のあたりがしぼんできたりします。それをじっくりと感じ取ってみましょう。
  5. 一回一回呼吸するごとに、自分の行っている呼吸に意識を向けて行ってください。

手順(4):「意識」が彷徨(さまよ)い始めるのに、気づきましょう。

意識を呼吸に向けて、引き続き呼吸を繰り返して行きます。すると、次のようなことに気づきませんか。

「自分の頭の中で起きていること」への気づき:

  1. 頭の中に、いろいろな考えやイメージが、浮かんで来たりします。
  2. しかし、そうなったからと言って、「意識が呼吸から逸れてしまった」と、自分を責める必要はありません。
  3. 「自分は今、別なことを考えているな」と、気づけることが大切です。
  4. 気づいたら、それを受け入れ、再び意識を「呼吸」に向けて行きましょう。
  5. そして、「鼻呼吸」を続けて行きます。
ODAN:庭に石3つ。

「自分の身体で感じていること」への気づき:

  1. 呼吸に意識を向けていると、同じ姿勢を続けていたので、身体の「痛み」が気になってくることがあります。
  2. そうなっても、「意識を鼻呼吸に集中できていない」と言って、自分を責める必要はありません。
  3. 自分が今、身体の痛みに気づいたら、その痛みを受け入れましょう。
  4. そのあとで、自分の身体が楽になるように、姿勢を少し変えてみましょう。
  5. 楽な姿勢が見つかったら、その姿勢を維持します。
  6. そして、再び意識を「鼻呼吸」に向けて、呼吸を繰り返して行きましょう。

このようにして、最初は3分間くらい、「鼻」に意識を向けた呼吸を続けてみます。

慣れてきたら、徐々に時間を延ばしていきましょう。20分くらい続けられるとよいでしょう。

「終了」の時間が気になってしまう人は、始める前に「終了時間」を「タイマー」にセットしておくのも方法です。

手順(5):「終了」の仕方を、知っておきましょう。

タイマーをセットした人は、アラームが鳴ったところで終了します。

特に時間を気にしないで始めた人は、自分が満足したところで、終了しましょう。

終了時に、次のことをやってみましょう:

  1. 「鼻呼吸」を終えた今、自分がどんな気持ちになっているかを意識し、それをじっくりと味わいましょう。
  2. その「感じ」を、しっかりと味わいながら、ゆっくりと3回、深呼吸をします。
  3. 深呼吸をするときは、口から息を吐くといいでしょう。
  4. 深呼吸が終わったら、「この体験の時間を自分に与えたこと」に対して、自分自身を讃えてあげましょう。
  5. 自分を讃えてあげたら、ゆっくりを目を開けましょう。一点を見つめていた人も、一度目を閉じで、再び目を開けてみましょう。

これで、「“鼻呼吸”によるマインドフルネスの体験」が、終了となります。

最後に、大切なこと。

最後に、次の点に注意してください:

  1. 「マインドフルネス瞑想(気づきの瞑想)」は、もともとリラックスを直接求めているものではありません。
  2. 今回紹介した「“鼻”に意識を向けた“呼吸法”」も、「マインドフルネス呼吸法(気づきの呼吸法)」の一つですから、終わった後に、身体のリラックス感を感じられないかもしれません
  3. リラックスした感じが起きなかったとしても、あなたが失敗してしまったわけではありません。
  4. 呼吸に意識を向ける体験ができれば、成功してるのです。安心して下さい。

次のことも、忘れないで下さい。

この「“鼻呼吸”によるマインドフルネスの体験」は、合う人もいれば、合わない人もいます。当相談室をご利用下さったクライアントさんに体験してもらっても、合う人もいれば、合わない人もいました。

そのため、ここに掲げた「手順」に従ってやってみて、「自分には合わないな」と感じたら、自分の今の「その感覚」を大事にして下さい。

あなたがむしろ、「自分には合っていない」という感覚に出会えたことこそ、あなたがまさに「今ここ」で気づいたことになるのです。

ODAN:沈む太陽に向かう。

あなたにとって:

  • 「今ここ」に気づける方法を持てること。
  • あなたの気持ちが逸れてしまっても、再び「今ここ」に戻ってくる方法を持てること。

この2つの方法を、あなたが手に入れられたことは、きっとこれからのあなたにとっての、大きな力になることと、私は思うのです。

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